こんにちは。おちです。
前回は、「アイドル=偽物」という固定観念に囚われていた思考をBABYMTALと向き合うことにより、解放される手がかりを得たことをお話させて頂きました。
続きです。
[adchord]
Sonisphere Festival UK
煩悩くんフルスロットルさんの一文。
英国で開催される大型ロックフェス「Sonisphere Festival UK」(7月4日〜6日 現地時間)に招待を受けフェスに出演予定。
この英国フェスはメタルの大御所、メタリカ、アイアンメイデン、スレイヤー以外にも、プロディジー、ドリーム・シアターらのそうそうたるアーティストが出演するメタルファン垂涎のイベントですが、日本からのアーチストはBABYMETALの1組のみ。
その前後に欧州でツアーを敢行するがチケットは即日完売。iTunesの各国別メタル部門やロック部門で複数国でチャート1位に。 このあまりの人気に、ロックフェスでも当初のテントステージからメインステージに急遽変更されたというが、これは当然の成り行きだろう。
私はこれを「アイドルだから」という理由でまともに取り扱わずスルーしてしまっていました。
この記事を再読したのが2015年の2月。
この記事が投稿されたのは2014年の5月。
ちゃんと読んでいれば「Sonisphere Festival UK」に立ち会えたハズ。
何という機会損失。
早くにこの事に気づいていれば、もっとBABYMETALと共に歩む時間を手にすることができていたでしょう。
そして、伝説の「Sonisphere Festival UK」に立ち会えたことでしょう。
痛恨の極み。
海外のフェスに出場。
それもメインステージ。
これがいかに凄いことか。
日本のアーティストが海外のフェスでメインステージに立つなんて私は聞いたことがありません。
日本人アーティストが海外のフェスに出場するとういだけで快挙だと思うのですが、下手をすれば何万人という観衆の前で演奏するということ。
これはヤバイ。
今まで日本人アーティストが海外にチャレンジし夢破れていった姿をどれだけ見てきたでしょうか。
日本と海外、特に欧米は文化や価値観が違う。
私は日本人アーティストが海外で通用することはないと決めつけていました。
唯一、通用するのがBoomBoom SATELLITESぐらい。
(これが私がBoomBoom SATELLITESを信奉する理由でもあります。)
それでも海外においては一部のコアなファンがいる程度。
大きく取り上げられることもない。
※2018年7月16日 追記 ここから 訂正です。BABYMETAL以前に海外で活躍した日本人アーティストがいました。 です。彼等、先人達の偉業があったからこそ、日本人アーティストに対する信用に繋がりBABYMETALはソニスフィアのメインステージに立てれたのかもしれません。 教えて頂きありがとうございました。無知のままでいたら恐ろしいことでした。 ※ここまで |
それがアイドル。
日本のアイドルが欧米人の、それも何万人という数多の視線に晒される。
(晒された。、、、その瞬間に立ち会いたかった。泣)
ありえない!!
アイドルが海外のロックフェスに出る。しかもメインステージ。
なんてことだ。。。
タイミングを逸してしまったが、これは見なければならない。
私は「BABYMETAL Sonisphere Festival UK」をキーワードにネットを探しました。
そして、見つけました。
胸の高鳴りが抑えられない。
そこに見えるのは一体、どんな景色だろう?
最近はアイドルが日本のロックフェスに出てそこそこ盛り上がるという話を聞きますが、それは日本でのお話。
日本人はみんな優しいから多少、パフォーマンスが低レベルでも親目線で温かく受け入れてあげる。
そもそも大量のファンがおしかけ場を盛り上げるハズ。
しかし、海外ではそうは行かない。
大量のファンは期待できない。
殆どは現地の人になる。
そして、現地の人からは彼女達が日本人なのか中国人なのか韓国人なのか区分けできない。
黄色人という一つの括り。
そして、綺麗ごとを取り払えば黄色人は白人からすれば差別の対象。
それが現実。
始まる前からかなりのハンデ。
アイドルであれば日本の市場をターゲットにすれば相応のリターンは得られるのに、なんでそんな危険を冒すのか?
パフォーマンスが低次元なら徹底的に叩かれる。
彼らにとって、日頃の不平不満をぶつける格好のエサ。
いやいや、ロックフェスだろ?
下手をすれば本気で殺しにかかってくるんじゃないか?
「いいね!」のライブパフォーマンスが頭をよぎる
大丈夫なのか?
でも、もしかしたら?
押し寄せる期待と不安。
前代未聞の大博打。
Dead or Alive。
なんだか緊張してきた。
[adchord]
いざ!出陣!!
それでは行ってみようと思います。
伝説のステージ「BABYMETAL Sonisphere Festival UK」
ポチッ!!
ステージがデカイ。 観客も結構入っている。 本当にここで演るのか? スターウォーズをパロった紙芝居が始まった。 観客から笑いが起こる。
神バンド登場。 歓声が起こる。 三人の影絵が写し出される。 ここでも歓声。
そして三人が登場。 大きな歓声。 おお、結構盛り上がってる。 既に人気があるみたい。
ここで引きの絵。 あ、盛り上がってるのは前線だけなのね。 現地のコアなファンか。 後ろの人たちは何か様子を見ている感じ。
イントロが流れる。 あれ?左の小っちゃい子の動きが止まっている。 さすがにこの観衆を目の前にしてビビって頭が真っ白になったか?
右の小っちゃい子が異変に気付き心配そうに目を配った。 (後日、イヤモニが故障していたことが判明) ぎこちないスタート。大丈夫か? BABYMETALの三人は当時、高校1年と中学2年。 普通に考えればこの年齢の子がこんな大きな舞台、多くの観衆、しかも見知らぬ土地で晒されたら怖くなって泣き出してしまうもの。
でも、この子たち一歩もひかない。 凄い。
ギターのリフが始まった!激しい!! それに合わせて女の子達が手と首を振る。 激しい!! おお、モッシュが発生している。
B!A!B!Y!M!E!T!A!L デス!デス!デス!デス!デス! SU-METALデス! デス!デス!デス!デス!デス! YUIMETALデス! デス!デス!デス!デス!デス! MOAMETALデス! BABYMETALデス!
そうか、この三人の子、SU-METALとYUIMETALとMOAMETALという名前なのか。 それにしても、こんな激しいリフの中で自己紹介するのか? 普通じゃない。 狂っている。
でも、めっちゃカッコイイじゃん。 うわーなんだこれ? 女の子たちの振り付けとギターのリフが絶妙にマッチしている。 カッコイイ。
そしてこのバンドの奏でる音の迫力ハンパない。 そして凄いテクニック。 観衆はドンドン乗せられていく。 温まっていくのが分かる。
BABYMETALデス!
歓声が上がった。 これは凄い!
続いてギミチョコ!! これ演るの? 観衆がどんなリアクションをするのか楽しみ♪
始まった。 なんだ?この凶暴なサウンドは!? 自分の知っている「ギミチョコ!!」ではない。 生の「ギミチョコ!!」の迫力は凄まじい。
あたたたたた ずっきゅん! わたたたたた どっきゅん! ずきゅん!どきゅん!ずきゅん!どきゅん! ヤダ!ヤダ!ヤダ!ヤダ! NEVER ! NEVER ! NEVER !
キタ!俺が苦手とするヤツ。
えっ?!カッコイイ!! LIVEだとこんなにカッコよくなるの!? 凄いスピード感。
そして、SU-METALの声のパワーも格別。 この子、ホントに凄いな。 澄んだ声なんだけど声量がハンパない。 踊りながらも音程が正確。 何よりこの場面で何一つ物怖じしていない。 笑っているし、凄い度胸。 惹きつけられる。 心は完全にこの子に掴まれてしまった。
そして、サウンドの迫力に無反応だった観客がヘドバンを始めだした。 一緒に歌い、手拍子も始めている。 彼女たちのサインであるFOXサインをする人達の数もドンドン増えていっている。
凄い!!! モニターに観客席の絵が映し出される。 ウソ!?一体、何人の観客が入っているんだ?万単位? 面食らっているところで曲が終了。大歓声!!
続いて神バンドのソロ。 超絶テクニック。 一つ一つの音の粒が洗練されている。
ステージ袖の映像が流れる。 同じ舞台に立つ演者達だろう。 それにしても何人見学しているんだ? 多すぎ。 そして、驚きの顔をしている。 笑顔がこぼれている。 きっと「こりゃ、すげえ」と言っているに違いない。
ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!
と女の子達が勢いよく飛び出してきた。
まぁだだよ!
何とかくれんぼの歌なのか!? そして、コミカルな寸劇が繰り出されている。 こんな場面で寸劇しちゃうの? だけどサウンドは凶暴。 そして、振り付けが面白い。 合わないハズなのに、これも絶妙にマッチしている。 それにしてもトンデモなく可愛いな!!
可愛いのにカッコイイって今まであったか? それは相反するものではなかったか? 繰り出されるもの全てが今までの常識からするとゼッタイに合わないものばかり。 それがベストマッチになっている。 これって凄くないか!? 今までの概念をぶっ壊してくる。
頭で考えるより先に心が反応している。 体が揺れる。 そして動画に目線を戻す。 手拍子の数が凄まじい。 完全に会場を掌握し始めている。 終わった。 大歓声!!さっきよりも歓声のボリュームが大きい。
続いて「メギツネ」 和とラウドなサウンドが辺りを不思議な空間へ包み込む。 観客がドンドン引き込まれているのが分かる。 SU-METALの歌に酔いしれる。
会場のざわめき、いや地鳴りが響き始めた。 空気が、空間が、揺れ動いている。 強烈な波動が空間を満たす。 巨大なサークルピットが発生。 熱気がこっちにまで伝わってくる。
なんてこった!エライことになっているぞ!!
大歓声!! 空間が揺れに揺れ、会場のボルテージが最高潮になっているのが分かる。 凄いぞ!!これはホントに凄いことになっているぞ!! 興奮が冷めない。
WE Want More!!
もっと聞かしてくれ!! 観衆の叫びが、その魂が竜巻のように巻き起こっている。
「イジメ・ダメ・ゼッタイ」 タイトルからしてロックフェスにふさわしくない。 紙芝居では笑いが起こった。
しかし、会場のボルテージは「メギツネ」で最高潮。 期待が高まっているのが分かる。 一瞬の静けさ。
これからエネルギーの爆発を渇望する観衆が竜巻を起こすことはもう目に見えている。 観衆はエネルギーの爆発を抑えるのに必死。 もう待ちきれない。
すると、フライング気味にWallofDethが発生。 もみくちゃ。
あーーーーー!!!
SU-METALの咆哮。 トンデモないエネルギー。 観衆はサウンドに身を預け至福の瞬間を全身全霊で浴びている。 魂が喜びを爆発させ空間を満たしている。 それがこちらにも伝わってくる。
私はなぜか涙がこぼれていた。 SU-METALの歌が美しい。 いや存在そのものが美しい。 この世でない何か尊いものを感じてしまう。
イジメ・ダメ・ゼッタイ
彼の地で歌い上げるこの歌の意味が心を奮い立たせる。 そして、その場、同じ空間を共有している者同志。 喜びの共鳴が魂を震わせ、心を通わせている。
見てみろ、皆の顔を。 何ていい顔して笑っているんだ。 熱いモノが自ずと込み上げてくる。
終演。 最後の方は動画を見ている事すら忘れてしまっていた。 意識がBABYMETALの世界に入り込み、興奮と熱狂と、そして喜びを全身全霊で浴びていた。 |
@BABYMETAL_JAPAN at #Sonisphere ©Photo by Dana (distortion) Yavin. all rights reserved 2014. #babymetal @Sonisphere pic.twitter.com/9PeXqKTr8e
— (@danadistortion) 2014年7月10日
しばらく私はその世界に浸っていました。
マインド(頭)は消え去り、ハート(心)が打ち震えていました。
上手く言えません。
これを言語化した瞬間、違うものになってしまう。
感じていること、それが全てです。
[adchord]
生きることの喜び
私はその後、 眠るのも忘れ、朝方までBABYMETALの動画を漁りまくりました。
何かのバラエティー番組に BABYMETALが出ていたのでしょうか。
書き初めで「世界征服」を掲げていました。
私はアイドルが目立つためにギャグで大風呂敷を拡げているものと見ていました。
しかし、起きている事を見ると「世界征服」がパロディーでなくなってきている。
世界中で BABYMETAL現象が起きている。
「どういう事か?」
私は何か、人類の共通する潜在意識。
「集合的無意識」に働きかける何かが起こっているように思えてしまいます。
「喜び。生きることの喜び。」
これが世界を席巻し、世界征服を成し遂げる。
馬鹿げていると思います。
私自身も流石にそれは大袈裟すぎると思っています。
ただ、 BABYMETALが「今」起こしている事をフィクションで描くとしたら、あまりにも大袈裟で馬鹿げており、そんな青臭いストーリーを描くでしょうか?
きっと恥ずかしくて描けないと思います。
そんなことを描くのは賢い大人のする事ではない。
そんな夢見がちのお花畑ではなく、もっと現実を見て、足元を固めなさい。
それが堅実に生きる立派な大人というもの。
社会に合わせる事。
周りの人に合わせる事。
そこから、はみ出す事は「良し」としない。
そんな声が聞こえてきそうです。
抗うたびに打ちのめされ、いつしか「諦め」心を封印。
そして社会へと迎合させる。
それが賢い大人であると自分を妙に納得させる。
「現実は甘くない。」
私も社会で揉まれた経験から、この考え方に染められています。
そして、マインドはその枠から飛び出さないよう自動にブレーキを働かせます。
「現実は甘くない。」
・・・いや、嘘をつくな!
ハートはそのブレーキを手放そうとしています。
BABYMETALに触れると、このハートの声がドンドン大きくなってきます。
このハートの声は、私の幼い頃の子供心そのもの。
「いいじゃん。何をそんなに恐れているの? 好きな事、やりたい事をやれよ。我慢ばかりして馬鹿みたい。」
彼女達を見ていると、そう言われている気がしてならない。
彼女達のパフォーマンス、その努力は並大抵のものではないと思います。
この努力の源はどこから来ているのか?
人から言われてやっているとは思えない、彼女達自身が心から望んでいるもの。
「伝えたい」
これが源泉なのではないでしょうか。
では「何を?」伝えたいんでしょうか?
それは言葉では伝わらない何かだと思います。
考えるな!感じるんだ!!
「集合的無意識」に働きかける何か。
その何かは人によって違うのでしょうが、向きは共通している何かだと思うのです。
決意
自分自身を振り返ってみる。
そういえば好きな事、やりたい事をやれているのだろうか?
もし、明日死ぬとしたら満足できるだろうか?
好きな事、やりたい事。
それに向かって本気になれているのだろうか?
「どうせできない。頑張るだけ無駄。」
こんな事では、彼女達に会った時に恥ずかしくて、しっかりと目を見て話しをすることが出来ない。
後ろめたさに襲われ、目を外してしまう。
ソニスフィアを見たら、背中を押された気がしました。
音楽は世界を変える
ここでいう世界とは幅化された他者視線の世界ではありません。
自分自身が目にしている純粋な世界そのものです。
思考が先、現実はあと。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
マザーテレサ
ここで言う「運命」とは未来の自分が体験する現実のこと。
「生きることの喜び」
私は BABYMETALからこれを受け取ったのだと思います。
[adchord]
結び
リアクションは以上です。
ここまでお読み頂きありがとうございました。
「興奮を共感しながら追体験する」を狙っていたのですが、いかがだったでしょうか?
楽しんで頂けたのなら幸いです。
(スンマセン、私は言いたい事を言い切り、楽しんじゃいました。)
かなり私独自の世界観になってしまったので恥ずかしい限りです。
もし、今後ともお付き合い頂けるのであれば幸いです。そして、感想など頂けると嬉しいです。
それではSeeYou!
おち
※アイキャッチ画像は、くろもり @crmo2018 さんの作品です。お借りさせて頂きました。